「癖」とは人の行動の特徴、パターンであり、ある状況において衝動的に起こしてしまう行為です。
ポーカーにおいては、ゲーム展開、相手のアクションに対するリアクション等で「癖となる行為」が出てしまいます。
相手に癖を察知されると自分の状況が知られてしまうため、それを隠そうとします。
また同時に、相手の癖を見抜こうとします。

癖の種類
癖は大別すると「出す癖」「出る癖」の二種類があります。

出す癖
一言でいえば演技、相手のミスリードを狙うための行為です。
・よく喋る
・プレイ中ののオーバージェスチャ

出る癖
出す癖とは違ってつい出てしまう、本来の意味の癖です。
・高い役が出来た時、念のため手札を確認する
・急に無口になる
・大きく深呼吸をする

プレイの中では「出す癖」に惑わされる事無く、「出る癖」を見抜くのが最良です。

癖は変化の瞬間に出る
ボードにカードが落ちた瞬間、相手のアクションの瞬間、自分がアクションを決断した瞬間(アクションした瞬間ではない)、貴方に癖が出ているでしょう。
時間が経てば、相手に気取られないよう癖を押さえる心理が働きます。
癖を見抜くなら、癖の出る瞬間に注目しましょう。
同時に、癖の出る瞬間にはよく注意しましょう。

「しなくなる癖」は隠すのが難しい
「よく喋る人が急に黙る」「いつも長考するのに急にアクションが早くなった(考えなくなった)」という「しなくなる癖」は、本人には気付きにくく、よって隠すのも中々に困難です。
一方、周りはそれに気付きやすく、しばしば手の内を見破られてしまいます。

長考の真偽
プレイ中、時間を掛けて考え込んでからアクションする事があります。
一見すると本当に迷っているのか、スロープレイで演技しているのかは判りません。
しかし一概には言えないものの、「じっとして動かない」のは本当の長考で、「落ち着きが無い」のは演技の長考である可能性が比較的高いと言えます。

人は長い時間、動かないでじっとしている事が苦手です。
それでも本当に長考している場合、考え事に集中していて自然に動きが止まります。

一方、演技の長考の場合は大抵、考えている様に見せて既に行動が決定しているものです。
集中する事柄が無い状態で、緊張した勝負の中、「演技が見破られないか」など不安になったりもします。
そこで、頭を抱えたり独り言をつぶやくなど「悩んでいる自分」を演出しつつ、不安を紛らわすのです。

目線を隠すのは大して意味は無い
サングラスを掛けてポーカーフェイスを作るプレイヤーは数多く存在します。
しかし実際のところ、目線を隠すのは喜怒哀楽といった感情を隠すのには役立ちますが、自分の状況や意図を隠す手段としては、それ程有効ではありません。

本来知りたい状況の良し悪し等は、思考時間の長さや立ち居振る舞いの動静、ベットアクションにこそ現れます。
サングラスで表情を隠しても、思考時間の長さは隠せないのです。

むしろ目線や表情は意図的に作る事が可能で、演技の道具に使う事ができます。

癖だけでは判断しない
癖は数ある情報の一つに過ぎず、また、精度の低い情報でもあります。
過信するのは禁物です。